スマホゲームの課金モデルと言えば、どのような仕組みを思い浮かべるでしょうか。乙女ゲームならチケット制, ソーシャルゲームならガチャ制。ゲームのジャンルによって課金の鉄板パターンが確立されつつあります。

 

余談ですが、嫁は私に内緒で2次元のV6(「ラブセン」というゲーム)に月500円程を貢いでいたようです。

 

課金モデルは もうネタ切れで新しいモデルが産まれないかなと思いきや、2017年4月、アナザーエデンというゲームが新しい課金モデルを提唱しました。名付けて

最後までやりたきゃ☆5出るまで課金しな

です。

アナザーエデンは月1回くらいでアップデートがあります。この記事内で使用されている数値はリリース直後の初期バージョンのものです。最新版への追従は行いませんが、「ガチャ」というビジネスモデルに対する普遍的な考察かと思いますので、考察のみを読み取って頂ければと思います。ゲームバランスや必要課金額を語るのは本記事の目的ではありません。

この記事は「アナザーエデン」を否定する目的で書いた記事ではありません。「アナザーエデン」が如何に素晴らしいゲームであるかは、ファミ通などの大手ゲーム批評サイトを見れば明らかですので、説明を省略します。ゲームそのものではなく、「マネタイズ」の観点で考察頂ければと思います。

 

アナザーエデン コンセプト

ソーシャルゲームやめました

このゲームの実に巧妙なところは、一見すると「えげつない課金誘導がない」ように見える事です。2015年の東京ゲームショウで、アナザーエデンのプロデューサー兼ディレクターを務める高大輔さんは、「ソーシャルゲームをやめてみた」と言いいます。

高大輔さんのプレゼンを見ると…。

「アナザーエデン」プレゼン資料。子供の時に遊んだRPGと違う(私見)

「アナザーエデン」プレゼン資料。冒険していない

こんなプレゼン資料を見せられたら、ある一定年齢以上の人は思わず共感してしまいます。さらにさらに、アナザーエデンは90年代に流行ったクロノトリガーというゲームをオマージュしているのが、明らかに読み取れる演出が多数あります。カエルも登場するし、X斬りも出来るし、クロノトリガーの続編と言っても過言ではないでしょう。

「アナザーエデン」のスクリーンショット。カエルやロボが登場します。

このようなゲームですので、ある一定年齢以上の男性には強く刺さる作品に仕上がっています。

 

でも ガチャはある…

ソーシャル辞めましたと言っても、ガチャはあるようです。ガチャはストーリーを進める事によって1回限り入手できるクロノスの石というアイテムを使用してガチャができます。課金する場合は1回480円のかなり強気の価格設定です。

「アナザーエデン」の10連続ガチャの様子。10人目は☆4以上確定。

 

このクロノスの石は、チャプタークリアやクエスト(本編とは関係ない話)のクリアによって入手できますが、1回限りというのが運営のミソです。

もしストーリー進めてガチャ引いた結果、強いキャラが出なかったら、手詰まりになってしまう可能性があります。「課金するか」「最初からやり直すか」のどちらかをしないとクリアできないでしょう。また、この仕様で、どうしても続きが読みたくなるような魅力的なストーリーならば、思わず課金してしまう人も居ると思います。

 

エンディング到達に必要な課金額は?

課金もリセマラも要らない?

「アナザーエデン」終盤までには強力なユニットが手に入るはず
記事引用:https://yoyaku-top10.jp/pc/blogs/NTY

予約トップ10の情報によると、「巷の反応を見るに星5がいなくても攻略はいけるようです」とあります。

ですが、これは序盤を遊んだ限りの感想と推測されます。このゲームは徐々に難易度があがるので、強いキャラクターが居ないと攻略できません。

 

Lv上限と回復役

「RPGだからレベル上げすればクリアできるはずだよね?」と思いきやレベルには上限があります。☆3のキャラクターはLv40が上限なので、いずれ☆3のキャラクターには限界がくるでしょう。

「アナザーエデン」の仕様。☆3ユニットはLv40が上限

 

このゲームは回復役が戦略上重要になってきます。救済措置として1人はストーリーの進行で仲間にする事ができますが、2人目の回復役はガチャでしか入手できません。回復役が1人か2人かで大幅に難易度が変わってきます。以下、回復役を1人しか仲間にできなかった私のプレー動画と、「話題のくろたま」さんの動画を見比べると、全然別もののゲームである事が分かります。

まずは、私のプレー動画をご覧ください。諦める人が出始める第13章になると、そもそも回復が追いつかないので「敵の攻撃パターンを暗記する」「全体攻撃の直前に後衛に下げる」などの色々な工夫をしないと勝てません。また、ある程度の運要素(先手が取れるかどうか等)が絡み、3度目の収録での撃破になります。

 

こちらは「話題のくろたま」さんの動画です。回復が追いつく、普通のRPGという感じです。

 

2ch見ても 回復役(ヒーラー)が1人の方は相当苦戦している様子が見受けられます。「ロボ子」はシナリオの進行で仲間にできる回復役の通称です。

リリース直後のゲームバランス前提の話です。今現在では当てはまりません。

「アナザーエデン」2人目の回復役は必須。

☆4回復役の値段は18,462円

多くの攻略サイトを見た限りでは☆4以上の回復役が出るまで、インストール, 初回ガチャを引く, アンインストールを繰り返しましょう(通称「リセマラ」)と言われています。では、この☆4以上の回復役を課金で買った場合の金額を計算してみましょう。

☆4以上の回復役がガチャで引ける確率は2.6%です。ガチャ1回を480円と仮定すると、☆4以上の回復役を入手するのに必要な資金は

480円 / 0.026 = 18.462円

です。

実際はまとめ買いや10連続ガチャの恩恵を受けるため、もう少し安くなります。

☆4ヒーラー必須はリリース直後のゲームバランスを必須としております。当時は、☆3から☆4への限界突破が非現実的な値に設定されていました。

 

☆5 3人分の値段は72.000円

出回っている情報を見た限りでは☆4回復役が居れば、第一部の全25章はクリアできそうな感触があります。ですので、ガチャである程度良いものが出れば、無課金でも第一部はクリア可能かもしれません。

ですが、今後のアップデートで無課金でクリアできる保証はありません。そもそも2016年春リリース予定のゲームが2017年4月にリリースされたので、開発費用は想定を超えているはずです。開発費用を回収するには、今後の課金誘導は必然になるでしょう。ここであるシナリオを考えてみましょう。仮に第二部は☆5が3人以上居ないと手も足も出ないゲームバランスだったとします。☆5の出現確率は2%です。☆5を1人入手するための費用は、

480円 / 0.02 = 24.000円

です。これを3人集めるには、

24.000円 x 3 = 72.000円 (概算)

になります。

実際は72.000円以上かかると思われます。☆5は6人しか居ないため、かなり高い確率でキャラ被りが発生するでしょう。

 

ゲームバランスは時事刻々と変化・・・

ゲームバランスは時々刻々と変化します。リリース1ヶ月後に、☆3から☆4への限界突破が解禁されましたので、難易度が非常に下がりました。

良くも悪くもアナザーエデンは、「ソーシャルゲームやめました」と言うものの、事実上のソシャゲと同じビジネスモデルです。トップを走ろうとすれば廃課金を求められますし、難易度下げ待ちの「そこそこ進捗」で妥協する方は現実的な課金額で楽しむ事ができるでしょう。

 

総括

まとめます。

  • アナザーエデンはソシャゲじゃないけどガチャがある
  • 回復役が戦略上重要だけど、入手のためには18.462円必要
  • 運が良ければ無課金でも第一部全25章のクリア可能(☆4回復役をガチャ20回で入手できる確率は40.9%)
  • 運が悪い人は、第一部全25章のクリアは相当な高額になる事が予想されるため 手に負える買い物かどうか計算してから課金しましょう
  • 待てば難易度は下がります。トップを求めなければ廃課金は回避可能
  • 10連ガチャを利用すると10人目が☆4確定で、10人目の☆4回復役の確率は12.9%になります。☆4回復役が出る確率は、20回ガチャを単発で引いた場合は40%になるのに対し、10連ガチャを利用した場合は53%になります。(算数のお勉強サイトではないので説明は省略させてください)

    リリース直後のゲームバランス前提とした考察です。細かな必要課金額は時々刻々と変化する事をご理解ください。

     

    アプリゲットさんは「石は割とすぐ貯まるので、きっと終盤までには強力なユニットも手に入る・・・はず」との主張ですが、上記の通り半数の人は強力なユニットが手に入らない計算になります。

     
     

    任天堂の倒し方
    画像引用:http://itest.2ch.net/test/read.cgi/applism/1492317369/
    画像引用:http://blog.esuteru.com/archives/7345066.html

    余談ですが、「任天堂の倒し方」と言っていた頃のGREEが懐かしいですね。今回は、本当に任天堂を超えました。

     

    私見

    以下 私の全く以て個人的な見解です。賛否両論わかれそうな意見なので、ツッコまないで下さい。

     

    「アナザーエデン」を作成した会社はGREEからスピンオフした会社だけあって、「課金誘導の仕方がえげつないな」と勝手な先入観を抱いています。この「最後までやりたきゃ☆5出るまで課金しな」は今後のデファクトスタンダードになるかもしれません。ですが、この風潮を生みだしたのは、ユーザ側にも責任があると思っています。

    あるべき理想の取引を考えれば、ゲームを最後まで遊ぶのに必要な金額を明示すべきです。いわゆる「買い切り」のモデルです。ですが、「買い切り」で値段を正直に伝えたゲームの評価はどうでしょうか。記憶に新しい所を言えば、「スーパーマリオラン」です。「ゲーム=無料」と考えている一部ユーザが酷い評価を下しているため、google playの評価は3.6になっています。

    スーパーマリオランの酷評

     

    ゲームに限った話ではありませんが、「モノづくり」に対する不当な値下げ要求が、今の風潮を生み出しているのではないかと私は考えています。経営者もエンドユーザも同罪です。正攻法で対価をもらう事ができないから、ガチャのように「一見すると値段が分かりづらい」手法に走るのではないのでしょうか。

    私は面白いなと思ったゲームにはクリアに必要なくても課金していますし、一部オープンソースに対して寄付を行った事もあります。ゲームに限らずソフトウェアは大道芸みたいな物です。良いと思った分だけのお金を支払う方が、「モノづくり」の発展として健全なのではないでしょうか。

     

    経済的な余裕がない方は

    学生さんや生活苦の方は、「寄付」の意味で課金するのは難しいかもしれません。そんな方でも、お金以外の業界貢献の方法はあります。「良いゲームは良い」とSNS等で情報発信するだけでも、良いゲームを作った企業のCMになります。良いと思った事は心の中に留めずに積極的に情報発信するようにしましょう。

     

    初期バージョン前提」「ビジネス視点」で本記事を作成しております。この2点を理解していない方のコメントは削除対象としておりますので、ご了承ください。

    最新のゲームバランス前提でコメントくれても、回答できかねます。ご了承ください。インフレするのが目に見えているので、私は当面アナザーエデンを止めて☆6解禁のタイミングで再開しようかと考えています。流石にスマホ内で1Gのディスク容量を確保し続けるのはキツい…。