ヒトは視覚動物と言われています。ネズミの仲間は夜行性に適応するため聴覚と嗅覚が発達し、サルの仲間は樹上生活に適応するために視覚が発達したと言われています。「イヌは近眼であるもののヒトの1億倍の匂いを感知できる」というのも有名な話ですね。このようにヒトは視覚が発達した動物です。
今回、紹介するゲーム「コエヲタヨリニ」は、ヒトの得意分野である視覚情報が一切登場しないゲームです。どこかに監禁された女子高生から突然の電話がかかってきて、通話のみで脱出の誘導をするゲームです。耳で聞いた情報を思い浮かべたり、相手の状況を想像したり、微妙なイントネーションの違いを聞き分けたり…と、耳で聞いた情報をフル活用してお楽しみ下さい。
視覚動物であるヒトの中でも、見た情報を処理するのが得意な視覚優位な方と、聞いた情報を処理するのが得意な聴覚優位な方が居るそうです。どちらが優位であるかを判定する材料として、コエヲタヨリニのステージ2の冒頭の部分を紹介します。あなたは、この音声情報を聞き取って、どこまで相手の状況を想像できますか。
この情報を聞いて、どこまで理解できたでしょうか。文字で書き起こすと、
のようになります。「文字で書き起こすと、扉, ベッド, 洗面台, テレビ台の4つしか探索する場所がない簡単な脱出ゲームだけど、音声で言われると難しいな…」と感じますが、読者の方はどのようにお感じでしょうか。知り合いと会話した結果ですが、どうも私は聴覚情報を処理するのが苦手らしく、人一倍このゲームを難しく感じているようです。
コエヲタヨリニとのタイトル通り、音声情報から相手の状況を想像するのが大事なゲームです。相手の状況を想像しなければならない例をいくつか紹介します。
同じ場所は複数回調査
通話相手の女子高生がどこまで入念に調査しているか会話の内容を元に判断しましょう。同じ場所を2回、3回調査する事で新たな発見があるかもしれません。
イントネーションの違いも
微妙なイントネーションの違いも聞き分けましょう。橋と箸では抑揚が違いますよね。
会話は双方向のコミュニケーション
通話相手の女子高生は音声通話しか許されない状況ですが、プレイヤー側は検索エンジンの利用が可能です。検索エンジンで情報収集し、適切な情報を相手に教えてあげれば、新たな発見があるでしょう。
このゲームは実は信頼度という概念があるマルチエンディングのゲームです。信頼度が高い場合は、隠しステージ13「りのの部屋」が登場するハッピーエンドになりますが、このハッピーエンド到達は結構難しいです。
いわゆるノベルゲームのような選択肢で信頼度が上下するだけでなく、脱出の過程でも信頼度が上下します。脱出に要した時間や操作ミスでも信頼度が上下しますので、脱出ルートを覚えたほぼほぼ最短ルートでクリアしないとハッピーエンドは到達できないようになっています。
また、ステージ8以降については操作ミスによってゲームオーバーが発生しうるステージで、ゲームオーバーになると信頼度が大幅に下がってしまいます。