会話の吹き出しもチャット形式
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「怪異掲示板と7つのウワサ」は、チャット形式で描かれるホラー×青春×学園モノのノベルゲーム。キャラクターが部室などで対面している時は、マンガのような吹き出しで、離れていてもSNSでの会話がそのままのフォーマットで表示されるシステム。
全編通してチャット形式のセリフのみで、ト書きのないテンポのよいスタイルで非常に読みやすい。
基本的にストーリーを読み進めていき、選択肢を選ぶだけの簡単な仕様なのだが、間違った選択をした時点で恐怖に凍り付くホラー演出が待っている。1話ずつは10分や20分程度で読めて漫画やアニメを観ているような感じで気軽に楽しめるぞ。
バッドエンドにつながるエピソードも、ホラー映画のような凝った内容なのでついつい見入ってしまう。
ゲーム的な選択肢もあるが本物の携帯みたいな演出も。
選ぶ選択肢は、2~3つ程度なのでやり直してもさほど手間取らないのも、気軽に楽しめるポイントの一つ。そして、ホラー演出以外にも電話がかかってきた時には電話専用の画面に、掲示板やメールを見る時にはその形式にインターフェイスが切り替わるのも世界観に惹き込んでくれる魅力的なギミックだ。
見えないけど確かに『いる』!ホラーあるある。
ホラー演出が秀逸なのは前述した通りだが、素晴らしいところはホラー映画、ドラマの『お約束』をしっかりと周到している点だ。本来とは違いゆがめられてしまった真実を解き明かし、怪異となっている霊を救うという切ないもの。そして、終わったと思ったのに、実はまだ続きがあった―――エンドレス。といったお決まりの展開などなど。
操作形態も変化するぞ。
通常のアドベンチャーとは違い、会話は全てチャット形式になっているので、吹き出しも全て上へ流れていくのが特徴的で、キャラのイラスト表示も邪魔しない合理的なスタイル。また、掲示板などを見るといった場面では、画面操作すら掲示板形式に切り替わるので、読み進めるのはスワイプでスクロールさせる。まさに、スマホに慣れている人は、説明などなくてもすんなりと操作についていける良仕様だ。
まさに『らしいスタンプ』だ。
キャラクターたちは個性豊かで、学生らしい・・・そして漫画っぽい性格になっている。通常の立ち絵でもその個性は際立っているのだが、SNSでの会話ではそのキャラクター性が、セリフの切り方やスタンプの使用で魅力的に表現されているぞ。
その掲示板に書かれた「ウワサ」は、「現実」となり、「怪異」となる・・・。とある学校の新聞部の掲示板から物語は始まり、怪異を生み出した。
最初の事件は、ブキミな少女の写り込んだ写メから始まる。彼女に殺されることなく、この怪異を解けるか?
選択肢は常に究極の選択になる。間違えればバッドエンドへ一直線!
ぎゃぁああああああ―――・・・!凄惨な最期・・・は、キミの眼で見てくれ。
その真実を感じ取り、最高の結末へ辿り着け!第1の怪異では、最終的に彼女を「解放」できたようだが、こんなハッピーエンドばかりではないのがホラーの醍醐味。
掲示板に投書された『ウワサ』。今度は何が・・・。正解を見つけるには、アドベンチャーの基本ともいえるじっくりと各人のセリフを吟味して考えること。
解決への近道は、怪異の裏を想像して物語を追っていくことにある。
さてさてさーて、正解はどれかな?
バッドエンド(ゲームオーバー)になっても、CMを観ることで即時選択肢の手前から再開できる。ゲームプレイとしては、バッドを見ることも楽しみの一つなので、むしろ「間違っている選択肢」から選んでいくのが正しい。
ヤバイ!これ、ホラーとは別の意味で怖い!
多彩な恐怖演出、そして青春ストーリーが本タイトルのキモともいえる。バッドエンドの恐怖を含めてシナリオの全てをコンプリートするようにしてみよう。理不尽なバッドエンドの他、新聞部の仲間たちのやり取りから、彼女ら彼らの絆や甘酸っぱい青春を感じ取れるはず。