「バカサスペンス」のレビューを行います。「バカサスペンス」はノベルゲームを多数リリースしているG.GEARの約1年ぶりの新作です。今作はG.GEARが本気で笑いを取りに来た事が伝われば幸いです。
このノベルは、バカによるバカのためのバカによるストーリーです。
某着せ替えゲームのキャッチコピーが美しさは強さであり正義となるならば、本作バカサスペンスはバカは強さであり正義となるです。今作では、バカは強さであり正義です。
とにかく主人公のバカさを使って相手を論破していきます。時には、財布を持ち歩かず外出するような、現実世界では有り得ない行動が無実の証明となったりします。
サクラ
…なにっ!?!?そんなわけが…!!!
ヒカル
僕が保証するよ。アホダに金を返してもらおうと思ったけど…
アホダは一円も持たない大バカ野郎だった!!
これには主人公アホダの好敵手サクラも恐れおののきます。
サクラ
ぐうっ…!これが、バカの…底力だというのか…!!!!
G.GEARさんは過去に「シェアハウス」「犯人は僕です」等のノベルをリリースしていますが、こられノベルのバカゲーバージョンが本作に該当します。主人公アホダは「ビター味が苦手」のようなサイコーにドーテモイイ情報が証拠になったりします。
シンヤの口の中のキノコと一緒だ…
ちなみに余談だが
俺はビター味は食べない、苦いから
登場人物の頭の悪い演出が秀逸。「かんきせん」「のみサー」の平仮名表記など、画面の細部に至るまでおバカ演出が満ち溢れています。ただ単にお話を読むのだけでなく、イラスト1枚1枚の細かなネタも充分に堪能するのがオススメです。
意外と気づきづらいポイントですが、画面上部に表示される「NEWS」も、稀に笑いを取りに来るようなテキストで満ち溢れています。過去作品では「ストーリー進行」を表示するだけでしたが、今回は笑いを取りにいった文面です。
最初の2話は「ダークマター(う○こ)」「いぼ痔」と下品なネタで、人によっては嫌悪感を示すかもしれません。しかし、3話以降は下ネタはありません。3話以降は、「きのこ vs たけのこ」「ヒーローショー」などのストーリーになっています。
これぞ才能の無駄遣い(誉め言葉)。実は過去作品の恋愛色の強い「僕の彼女は浮気なんてしない」「元カノは友達だから問題ない」に匹敵する程のスチル群が用意されています。スチルとは言っても、全部おバカスチルです。おバカ演出のためにお絵かき頑張ったなという感想です。
なかには推理小説っぽいロジックを説明するようなイラストもありますが、中身は完全におバカです。