ネバーランドシンドロームのあとがき。主人公の闇(影)

ネバーランドシンドローム」のあとがきです。物語の核心であるインナーチャイルドの補足説明です。比較的にマイナーな概念であるため、実際に苦しんでいる人が身近に居るか、臨床心理の心得があるかでない限り、分かりづらいテーマになっております。

当サイトの管理人自身もインナーチャイルド持ちです。この概念を知ったのは2016年頃に発症した鬱病がきっかけで、それ以前は何事もトラブルなく10年程の社会人生活を送っていました。この記事には、「トラブルになる前に適切な対処ができる人が1人でも増えるように」との願いもあります。

 
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インナーチャイルド

ネバーランドシンドロームは、インナーチャイルドをテーマにしてゲームです。以下、インナーチャイルドと類似概念 アダルトチルドレンについて説明します。この記事は、物語の核心部分の引用を含むネタバレありのレビュー記事です。物語の核心を知りたくない方は以下をご参照ください。

 

インナーチャイルドとは

餅は餅屋。このサイトは臨床心理の専門サイトではないので、インナーチャイルドの基礎知識からインナーチャイルドの説明を以下に引用します。

「インナーチャイルド」とは、「内なる子供」と訳されますが、具体的には子供時代の頃の記憶や心情、感傷の事を指します。子供時代の経験が、大人になった自分に多くの影響を与えていることはご存知でしょうか?

性格というのは、もちろん持って生まれた素質によるものというものもありますが、他にとても大事な要素が環境です。そう、人の人生は環境によって大きく左右されます。そこでこのインナーチャイルドが関係してきます。

例えば、同じ兄弟でも、兄はいつも誉められ弟はいつも認められず叱られてばかり、というような環境だったとします。いつも誉められて育った兄は、自分に自信を持って堂々とやれる人生を歩くことができます。

認められずに育った弟は子供時代の劣等感が抜けずそれが、社会に出てもその誰にも認められないという思い込みがその人の人生に大きく影響してくるのです。

 

アダルトチルドレンのタイプ

インナーチャイルドで調べものをすると、いわゆる「良い子」の事例が多いですが、様々なタイプのインナーチャイルドが存在します。Wikipediaなどを見ると、6つのアダルトチルドレンのタイプが紹介されており、ゲーム内でもこの6タイプを意識してキャラクター設定がなされています。

登場人物とアダルトチルドレンの対応関係

「ネバーランドシンドローム(ネバラン)」の登場人物とアダルトチルドレンのタイプを比較します。

No タイプ 登場人物と補足
1 マスコット ツインズ
おどけた仮面を被って不安を隠してきたタイプ
2 ケア・テイカー カーリー
親や周囲の面倒を見てきたタイプ
3 プリンス
プリンセス
主人公(トワ)
周りの望む通りに生きてきたタイプ
4 ヒーロー ニブス
家族の期待を一身に背負ったタイプ
5 スケープ・ゴート スライトリー
家族の問題を行動化するタイプ
6 ロスト・ワン トートルズ
存在しないふりをして生きのびたタイプ
 

インナーチャイルドの思考パターン

上記の通りアダルトチルドレンは大きくわけて6パターンあり一概なコメントはできませんが、インナーチャイルド持ち固有の思考パターンがあります。例えば、私の場合ならば「自分の事が嫌い」「自分が悪者にされているのではないか(との疑念を抱く)」「濡れ衣を着せられた時に自己主張できない(自己主張すればもっと酷い目に合わさせると思う)」などの思考パターンがあります。

 

家族を避けている

インナーチャイルド持ちの管理人から見ると、主人公の思考パターンは「あぁ、分かる」と思ってしまうようなシナリオがいくつかあります。

魔物
「お前は……恐れている。父や母、そして兄弟達を。お前は…知っている。誰もが皆自分の心を隠し、偽りという形でしか絆を保ってなかったことに。思い出したくないのだろう?だから無意識に心の闇を閉じ込めた。不安定な世界を守るために。…幼い心を閉じ込めたのさ、そうだろう?」

当管理人 自身も両親を避けて行動しています。今では妻子に恵まれるようになりましたが、必要最低限の冠婚葬祭を除き、両親を避けるようにしています。

ネバーランドシンドロームのあとがき。第四章の魔物のささやき

 

自分に厳しく 他人に甘い

「自分に厳しく 他人に甘い」は、まさに管理者の鏡のような性格です。アダルトチルドレンを外から見ると、このように見えるかもしれません。

ですが、内面的には「自分に厳しい」「ストイック」というわけでなく、単に「自分が嫌い」なだけです。もちろん、この性格が良い方向に働く事もあります。私自身、5年程ずっとネットワークの勉強を続け、手に入れた資格を元に転職&年俸交渉して、年俸を70万円アップさせた経験があります。ただし、勉強中は周りへの配慮が欠けていたため、職場, 家族には相当の迷惑をかけていました(twitterか何かでダークサイドの力との的を射た表現を見た記憶あり)。

 

ゲーム内の主人公も似たような傾向があります。バッドエンドにて、フック船長(主人公が生み出した幻影)から体罰を受ける描写がありますが、アダルトチルドレンの中にはやたらと自罰的な傾向のタイプも居ます。

――ここは、ネバーランド。どこでもない国。

ミス・トワ――彼女は机の上のプリント用紙と向き合いながらペンを滑らせている。

黒々とした文字を目で追いながらかぎ爪の背で、彼女の片方の手をぴしゃりと打った。

びっくっと跳ねた彼女は煙たそうに私を見上げた。

フック校長
「問13。答えが間違っている。もう一度考え直したまえ」

ネバーランドシンドロームのあとがき。第七章のバッドエンド

 

自分自身を愛すること

世間でよく言われているのが、インナーチャイルドの克服は自分を愛する事と言われています。物語の中では、主人公自身が自分を受け入れる事に成功し、エンディングでは家族と“普通”の付き合いをできるようになっています。

現実問題として自分を受け入れる事ができるのは、極めて少数です。。私自身、30年以上染み付いた「自分が嫌い」という思考パターンを脱却するのは、簡単な事ではありません。理屈と感情は一致しないものです。

ネバーランドシンドロームのあとがき。影を受け入れる場面。

 

アダルトチルドレンと鬱病

アダルトチルドレンの中には、自己肯定感が低いタイプも居ます。そのような方は、困難にぶつかった時に「もうどうても良い」と考え、いわゆる鬱病になる方も多くいます。

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ゲーム内の主人公も、私が鬱で3カ月ほど休職していた時と似たような思考パターンをしています。休職していた頃は「自殺したい」と思う程の積極的な行動は起こさないものの、信号無視の車に轢かれそうになった時に「このまま轢かれれば 楽になれるかな」と考えてしまいます。正常な思考パターンなら避けようとするのですが、当時は車を避けようとする気力が起きませんでした。

 

ゲーム内のバッドエンドの一つでも、逃げれば助かるかもしれないものの、主人公は全く逃げようとしない描写があります。

(意識が急にぼーっとしてきた…)

ふと、腕に刺さった点滴の針が目に止まる。

(…まさかこれ?…早く、外さないと)

…そう思うのに、体が言うことを聞かない。

<中略>

意識が途切れる寸前、ごめんよ、という誰かの声が聞こえた気がした。けど、それも本当のことなのか夢なのか、今となってはもうどちらでも良かった。だって目覚めても、もう私には何も残っていないのだから。それなら一層このまま深い深い夢の中落ちていこう。二度と戻れないほど深い夢の中へ。

ネバーランドシンドロームのあとがき。第2章のバッドエンド

 

ヒュプノノーツ

これを機会にインナーチャイルドに興味を持った方は、ゲームならばヒュプノノーツがお勧めです。特にヒュプノノーツ2は、インナーチャイルド固有の思考パターンの心理描写が多く(例えば、ネガティブ思考の負のループ)、主人公が徐々に病んでいく様子が生々しく描かれています。

ストーリー観点はヒュプノノーツ1, ヒュプノノーツ2の順番でプレーした方が楽しめます。1作目主人公も2作目主人公もインナーチャイルド持ちですが、1作目はインナーチャイルドのネガティブな描写は控えめです。

総評

google play 評価引用

他の4人のキャラクター

精神裁判→監獄少年→四ツ目神→今作の順にプレイしてきました。

<中略>

ピーターパンとティンカーベルは(ほぼこの二人のどちらかと行動共にするので片方に寄ってちゃんと辿れば)乙女ゲームってこんな感じなんだなぁ。とわかるゲームでした。他の四人のキャラは物語が進むにつれてますます乙女ゲーム?違くね?と思いました。

<後略>

他の4人は…。確かに乙女ゲームじゃないですね。アダルトチルドレンの6タイプをモデルにしたキャラクターなので、まあ、この性格描写で乙女ゲーム作るのは結構難しいと思います。恐らく、ゲームの本題の方であるインナーチャイルドや家族に関する考察を与えたいために設定したキャラクターでしょう。

 

内容が薄い?

精神裁判、四ツ目、監獄楽しませて頂いて今回の内容は乙女ゲーム要素が加わるとの事で、とても楽しみにしていました。

<中略>

キャラクター各々の話に集中してしまい、せっかくの納得、理解、共感のできる物語の核心の存在感が薄いような気がして「楽しかった」けれど「とても楽しかった」とまではいまいち言えない気持ちがあり、少々残念でした。 ただ、内容が内容なだけにキャラの物語に集中してる、核心の存在感が薄い印象を受けるのも仕方ないとも思われます。

<後略>

「核心の存在感が薄いような気がして」との意見もあるようです。製作サイド側の気持ちになって考えると、内容を濃くしたくても濃く出来なかったという悩みもあったのではないかと推測しています。インナーチャイルドをガチで扱ったストーリーにしてしまうと鬱ゲー以外の何物でもなくなってしまい、当初のコンセプト優しい乙女ゲームが崩れてしまいます。

 

サイト管理人の意見

文字通り優しい乙女ゲームです。優しいゆえに、今までの四ツ目神, 監獄少年に比べると考えさせられる要素が弱めです。

ネバーランドシンドロームは「詳しくは生きにくい子どもたちを読んでおいてね」程度の参考文献を紹介する程度に留めています。前作 監獄少年の 大和や金剛総督が政治思想を戦わせる描写に比べると、オブラート30枚くらい包んだような表現です。

 

とは言うものの、ちゃんと調べると、アダルトチルドレン, インナーチャイルドをよく調べた上で作られたストーリーである事が分かります。某テレビ局の「家族って何だ」系の偽善番組よりも、SEECのアプリをやった方がよっぽど家族について考えさせられます。

四ツ目神の時も、相良家三男(主人公の育ての親)は存在しない子として扱われ、イミゴは要らない子として神様にお返しされます。今にして思えば、SEECさんの開発チームは 四ツ目神の企画時点でも、家族ネタ扱いたかったのかなと推測されます。

 

現代の病

管理人の意見です。主張を裏付ける事実集めが若干不足しているので、話半分に聞き流して下さい。

インナーチャイルド, アダルトチルドレンは、現代の病ではないと思います。ただ、妻の職場を見ていると、無視できなくなった病というのが適切かもしれません。

両親に抑圧されて育った子供というのは、恐らく、現代に限った話ではないでしょう。捨て子が少なくなっただけ、以前に比べれば現代は遥かにイージーモードです。ですが、親に不信感を抱く人口が無視できなくなったというのが適切ではないでしょうか。例えば、10人の子供で5人が家出したとしても、残る5人は親の面倒を見ます。現代では、少子化, 核家族化が進み、子供2人のうち2人とも家出をしてしまえば、誰も親の面倒は見ません。

医療関係者の妻に話を聞いた限りでは、親の介護を拒否する事例も増えつつあるとの事です。しかも、子供側の主張を聞けば、「介護拒否したくなる気持ちも分からない事もない」との気持ちに傾倒するそうです。

インナーチャイルド, アダルトチルドレンに関する悪影響は介護だけでなく、鬱による自殺など様々な悪影響が考えられるでしょう(1つ1つ悪影響を考察すると話が長くなるので割愛します)。そのような事情もあり、今後はインナーチャイルド, アダルトチルドレンの理解の重要性が増していくのではないかと推測しております。

 

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シリーズ作

ネバーランドシンドロームシリーズ作である「監獄少年」の記事です。

 

関連作品

ネバーランドシンドロームの同じテーマの臨床心理を扱ったゲームです。ノベルゲームとローグ(RPG)の中間に位置するゲームでお勧めの作品です。

関連書籍

偶然にも、当サイト管理人はヒュプノノーツ1, ヒュプノノーツ2, ネバーランドシンドロームとインナーチャイルドをテーマゲームを3連続でプレーしました。インナーチャイルドに興味を持ち、ヒュプノノーツ2をプレーし終わったタイミングで、書籍を何冊か読み漁っています。

ネバーランドシンドローム内でもオススメしていますが、インナーチャイルドを理解するには「生きにくい子どもたち」が入門書として一番のオススメです。入門レベル以上になると適当な書籍を見つけられず、より高度な知識が欲しい方は実践例を見るのが適当かと思います。

 

インナーチャイルドを克服するのは “金銭的な意味で”難しい問題かもしれません。心療内科などのメニューを見るとカウンセリングコースが用意されていますが、1回8,000円以上の治療を数カ月も続けるのは経済的に厳しい人も居るでしょう。そこで、ある程度の現実解となるのが「認知行動療法」です。ヒュプノノーツ2では刻銘に描かれていますが、インナーチャイルドを抱えている人はマイナス思考のループに陥る事があります。「認知行動療法」はインナーチャイルドを受け入れる事はできないものの、認知(感じ方)を変える事によってマイナス思考のループを断ち切る 考え方のトレーニングのような教材です。

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