「魔女の迷宮」は、「勇者と1000の魔王」等で知られる老舗ソシャゲメーカーが開発したローグライクゲームです。「魔女の迷宮」のゲームシステムや雰囲気を紹介します。ソシャゲ臭一切なし、Not Pay-to-Win、完全実力勝負。今までローグをやった事がない初心者にこそ、入門作品として勧めたい作品です。
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ローグライクゲームとは、ダンジョン最深部を目指して、恐ろしいモンスターと戦い、装備やアイテムを手に入れ、キャラクターを強化していくロール・プレイング・ゲーム(RPG)のひとつです。ダンジョンは毎回ランダムに生成され、モンスターやアイテムの出現は全くのランダムです。1回目のプレーと2回目のプレーでは、入手できるアイテムも出現するモンスターも異なります。
ローグライクの基本的にルールはHPが0になると、全てを失います。アイテムを失うだけでなく、レベル1からの再スタートです。
「毎回異なるダンジョンで ゲームオーバーは全ロスト?」「そんなのクリアできるわけないじゃん」と思う方も居るかもしれませんが、ローグライクゲームは危機的状況を回避するアイテムが多数用意されています。ゲームオーバーは、プレイヤー自身が上手に敵を対処できない事が原因でもあります。
ゲームオーバーは全ロストです。Lv.1からの再スタートです。全てが無になってしまったと思いきや、ゲームオーバーによってあなた自身は成長したはずです。
例えば、以下スクリーンショット左側のような局面で「ブルースピリッツ」という敵と戦ったとします。「ブルースピリッツ」は分裂する敵なので、ここで戦ってしまうと右スクリーンショットのように敵が分裂してタコ殴りにされてしまいます。
ゲームオーバーでLv.1からの再スタートになったとしても、アナタは学習したハズです。「コの字型の通路でブルースピリッツと戦ってはいけない」と。ゲーム内のキャラクターは全ロストしたとしても、プレイヤー自身の経験知は蓄積されます。次は同じ失敗はしないはずです。
以下左側スクリーンショットのように殴り合えば、仮に「ブルースピリッツ」が分裂したとしてもピンチにはなりません。
このようにゲームオーバーになった時に「悔しい。もう1回遊びたい」と思える人がローグ中毒を発症しやすい傾向があります。
ローグライクのジャンルに属するゲームは多数存在します。その中で「魔女の迷宮」の位置づけを明確にしたいと思いますが、その前にローグの歴史について説明します。
ローグの歴史は遡ること1980年代、 Hack(1982)やMoria(1983)等のローグが基本ソフトウェアとして同梱されていたと言われています。今ならWindowsに「マインスイーパー」「フリーセル」等のゲームが標準で備わっていますが、当時はBSDと呼ばれるソフトウェアに「Hack」「Moria」等のローグが備わっていました。当時の状況を生で見た事はありませんが、恐らく、当時の大学生が「マインスイーパー」を遊ぶのと同じような感覚で「ローグ」を遊んでいたのかもしれません。
1980年代当時は、Windowsのようなグラフィカルな機能は希少だったので、以下のようなテキストベースのゲームになっています。例えば、「翼ライオン(グリフォン)」ならば「G」、「ドラゴン」ならば「D」という文字に襲われます。
ローグは非常に難しい かつ テキストベースで親しみづらいという難点がありました。この難点を解消し、一般受けするようにしたのが「不思議のダンジョン」シリーズです。ドラゴンクエストシリーズで親しまれたキャラクターを登場させるだけでなく、かなりの低難度化を図り、今までのローグよりも遊びやすい作品に変更されました。
不思議のダンジョンシリーズの功績により、ローグはかなり一般的なジャンルになりました。多数のゲームがリリースされています。ですが、スマホでは面白いローグライクゲームは不作で、「魔女の迷宮」はスマホで初めてマトモに遊べるローグライクゲームと言えるかもしれません。
スマホローグ「魔王ローグ」もマトモに遊べるローグライクとの意見もあります。「魔女の迷宮」はプレイヤーの力量重視で、「魔王ローグ」は育成重視の傾向があります。どちらが楽しいと感じるかは人それぞれです。
難易度調整やユーザインターフェース検討など、多大なる涙涙涙なしでは語れないくらいのスマホ最適化を行っているのがビンビンに伝わってきます。
何がすごいって操作ミスがない事。当たり前かと思うかもしれませんが、ローグは1手のミスがゲームオーバーに繋がります。操作ミスは致命的です。「魔女の迷宮」の1プレーは1時間から3時間程度で、3時間のプレーが操作ミスで水の泡になればプレイヤーは怒心頭でしょう。ですが、スマホ版ローグで操作ミスがないように配慮されたゲームは非常に希少です。
ボタンはある程度の大きさ、画面分割や画面スクロールも適切。恐らく、テストにテストを重ねて、テストにテストを重ねて…(以下10回繰り返し)、熟慮されたインターフェースと言わざるを得ません。
昔からローグをやっている人には生ぬるい難易度でしょう。各種批評を見ても「簡単だ」という意見が目立ちます。不思議のダンジョンシリーズで地下100階に潜れる実力がある人ならば、最難所の「真魔王級」でも1発クリアできるでしょう(実際に当サイト管理人も1発クリアしています)。
「簡単だ」との意見が目立ちますが、時代背景を考えれば適正難易度であるというのが当サイトの意見です。この難度がスマホゲーム時代では限界かもしれません。というのは、人間の集中力が発揮できるのは、ある程度の時間を要します。ローグ経験者は思い当たる事があるかと思いますが、ローグで中断機能を使って、翌日再開すると、すぐに死ぬ経験をした事があるかもしれません。
事実、自動車教習所等に行くと「自動車事故が多いのは運転開始1時間以内」と言われています。これは集中力を発揮するのにある程度の時間がかかる事の証明です。「ピープルウェア」等のマネジメント本を読んでも同様の事が書かれています。
ローグは深く潜れば潜る程、難しくなります。集中力が発揮できない状態で高難度の深層部をプレーすると、すぐにゲームオーバーになる事がよくあります。スマホゲーム時代では、通勤通学の隙間時間でプレーする方も多いでしょう。隙間時間でプレーするならば、真魔王級程度の難易度が、人間の集中力として限界なのではないかと感じています。
裏返しの言い方をすれば、土日のようなまとまった時間でプレーするには簡単過ぎる難易度設定かもしれません。
魔女の迷宮は、初心者にこそオススメしたいローグライク入門作品です。公式Twitterでも「ローグライクをはじめてやる人でも楽しめる」との公言があります。
合成や壺のようなシステムの追加要望を少なからずいただいておりますが、魔女の迷宮は『ローグライクをはじめてやる人でも楽しめる』というコンセプトを強く意識して作ったタイトルのため、複雑化する仕様は基本的に追加予定がありません。#魔女の迷宮
— 魔女の迷宮【公式】 (@majo_meikyu) 2018年4月21日
魔女の迷宮に対して要望が多い「合成」機能。これは不思議のダンジョン「風来のシレン」シリーズを意識した要望です。風来のシレンはかなり複雑で、
ずっと俺のターン ずっと俺のターン … とか
画面外から石や炎が飛んできたり … とか
複雑なルールが多く、覚えるべき事が多いゲームです。
ローグライムゲームには使いどころが難しいアイテムもあります。例えば、シレンシリーズに登場する「身代わりの杖」は自分の身代わりを作る特殊アイテムですが、使いどころを誤れば1発ゲームオーバーです。
それに対し、「魔女の迷宮」は単純な攻撃系アイテムが多く使いどころを誤ってもゲームオーバーにならないのが特徴です。
ローグライクゲームは何作品がプレーしていますが、「魔女の迷宮」は運要素が非常に少ないゲームです。「魔女の迷宮」は、凶悪な敵が出現しない代わりに、強力なアイテムも出現しません。アイテム運に大きく左右されません。
「魔女の迷宮」はクリア条件によって★獲得数が異なります。上級者向けの少数派向け情報になりますが、真魔王級★3獲得を目指す場合は開幕時点のアイテム運に左右されます。それ以外の場面ではアイテム運には殆ど左右されません。
殴り合いの回数が多いのも、運要素を減らしている一因です。例えば、以下2パターンの敵を考えます。
パターン | |
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パターン.A | 5回の攻撃で倒せる敵 敵から10ダメージ x 4回を受ける |
パターン.B | 2回の攻撃で倒せる敵 敵から40ダメージ x 1回を受ける |
どちらも被ダメージの平均は40ですが、攻撃が一発外れた場合の非ダメージは50と80で大きく異なります。
パターン | |
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パターン.A | 攻撃が1発外れた場合は 敵から10ダメージ x 5回を受ける |
パターン.B | 攻撃が1発外れた場合は 敵から40ダメージ x 2回を受ける |
他のローグライクと比べると「魔女の迷宮」は殴り合いの回数が多いので、攻撃が1発2発外れたくらいではピンチになりません。もし、「攻撃が5連続で外れた」と不幸を嘆くくらいならば、「不幸を打ち破るアイテムの使い方」を覚えた方が建設的です。
以上の内容をまとめると、「魔女の迷宮」は超シンプルな運要素希少のローグライクゲームです。スマホのローグライクゲームは操作に難がありマトモに遊べる作品は非常に少ないですが、「魔女の迷宮」は例外的に抜群の操作感でストレス皆無です。
「ローグって名前は聞いた事はあるけどやった事ない」「この記事を見てローグというジャンルを初めて知った」という方は、「魔女の迷宮」がオススメです。そして「魔女の迷宮」で充分ローグに慣れたならば、「魔女の迷宮」以外のローグにも触れて頂ければと思います。