「好きになったら負け」の負けエンド、ノーマルエンド、ハッピーエンド、アフターストーリーのエンディング全文を公開します。プレーする気はなくなったけどエンディングが気になる方向けのネタ晴らし資料です。
[toggle title=”五十嵐 力 編 負けエンド1 – 恋人の優先順位”]
「好きです!」
「え?俺は、ただ噂の確認をしたくて…。」
「でも、彼女もいねーし
付き合ってもいいのか…。」
「五十嵐君、何か言った?」
「……。」
「やっぱ、俺もニシノのこと好きかも。」
「ほんと?!」
こうして、私たちは付き合い始めた
今日は彼とデート、すごく楽しみっ
「悪いけど、今日のデート中止にしない?」
「な、なんで?」
「なんでって…友達と遊ぶことになったから。」
彼は友達との約束を優先することが多い
少し寂しいけど
すごく友達想いってことだよね…?
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[toggle title=”五十嵐 力 編 負けエンド2 – 重なる嘘”]
五十嵐君は素敵な男性
モテモテでお金持ち
さらに大学にはファンクラブまである
でも…
最近、少し様子がおかしい
「わりぃ、電車が遅延して遅れた」
「あれ?五十嵐君って
移動は必ずリムジンじゃなかったっけ?」
「ええ、あー、さっきさ
いきなりパンクしちゃって…。」
「そっか!それで、電車で来たんだ!」
「お、おう…!」」
彼は、5つ星レストランにでも行くか!
と言いながら、私の手を取って歩き出した
「デートの度にこんな高いお店…
申し訳ないよ…。」
「気にすんな?だって、俺んちお金持ちだし。」
「でもデートの回数少なくなってきているし…」
「…私のこと嫌いになったんでしょ?」
「そ、そんなことねーよ!」
「それは俺がバイトしてたからであって…!」
「……。」
「…バイトしてるの?」
「な、なーんて!!冗談だよ冗談!」
今のはお金持ちジョーク!!」
彼はバツが悪いのか私と目を合わせようとしない
「大丈夫?…すごく冷や汗出てるけど…」
「あああ、俺んち、お金持ちだから安心して。」
なんだか彼の顔は苦しそう…
悩みでもあるのかな…
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[toggle title=”五十嵐 力 編 負けエンド3 – 親心…?”]
幼い頃
嘘がばれたくなくて
嘘を嘘でごまかしてた
自分はばれてないつもりだったけど
結構バレバレの嘘だったんじゃないかな
「珍しいね
五十嵐君が講義に遅刻するなんて…。」
「いやぁ、参ったぜ。」
「家の前に俺のファンがいるんだから…。」
「……。」
「……寝癖、ついているよ。」
「ね、寝坊なんてしてねーから…。」
「これは寝癖じゃなくて…その、えっと…。」
「最近、流行っている寝癖風パーマだから!!」
自慢気にドヤ顔する彼
私に見栄を張りたいために嘘をつく彼
私はそんな子供のような彼を
可愛いと思ってしまう
子供がバレバレの嘘をついているときの
親の心境ってこんな感じだったのかな
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[toggle title=”五十嵐 力 編 ノーマルエンド – 優しい嘘”]
彼と付き合うようになって
同じ講義は一緒に受けるようになったが
今日は講義が始まっても姿を現さない
『どうしたのー?もう講義始まるよ?』
メッセージを送るが、返事がない
不安になり、私は彼に電話をした
「今日、講義休むの?」
「まぁ…単位に余裕ゴホゴホッある…し。」
「…風邪、ひいてるでしょ?」
「風邪、ゴホホゴッ…ひいてねーし…!」
「…。」
「私も今日、サボりたくなって来たなー…。」
「それに、風邪薬とか買いたくなってきたー。」
「それ持って、五十嵐君の家にでも行こー。」
「別に来なくてもよかったのに…」
「もー、こんなときまで
強がらなくていいのに…。」
「…強がってなんかねーし!それに…。」
「なに?」
「…ニシノに
風邪移したくなかったんだよ…。」
「私のこと考えて、嘘ついてたの?」
「…ああ、もう俺は寝る!」
彼は恥ずかしかったのか勢いよく布団にもぐった
「ふふ、ありがとう。」
私の彼はよく嘘をつく
私のこと思ってくれてるからこそだよね…
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[toggle title=”五十嵐 力 編 ハッピーエンド – 本当の気持ち”]
「わぁ!ほんとにキレイ!」
「海ってこんなに広いんだね!」
私は彼に誘われて、二人で海にきていた
付き合って一年の記念日
彼がサプライズで計画してくれていた旅行だ
「……ねぇ、すごく高かったんじゃない?」
私はずっと疑問に思ってたことを彼に聞いた
「別にこれくらい…。」
「なんてったって俺んちは金持ち!」
「……じゃなくて。」
「ニシノのためなら、なんともねーよ。」
そういって、彼は私に手を伸ばす
「嘘。私に隠れてバイトしてたくせに…。」
「…なんだ、バレてたのかよー…。」
「そんなのに嘘ついて…。」
「俺、スゲー恥ずかしいじゃん。」
「あはは、かっこいいじゃん!男前だよ!」
「馬鹿にしてねーか…?」
「…まぁ俺は、ニシノが
笑顔になるのが一番うれしいし!」
付き合って一年
少し素直になった彼が、そこにいた
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[toggle title=”五十嵐 力 編 アフターストーリー – 嘘つきサンタクロース”]
「サンタさんってほんとにいたら素敵だよね。」
「ハルカはサンタがいるって信じてるのか?」
今日は、クリスマス・イヴ
「まぁ、いたらいいな~って思うけど…。」
「……。」
実際はいないね~なんて
私の言葉を無視して、彼はなにか考え込んでいた
「……。」
「俺、ちょっと出かけてくる…。」
「それなら、私もいくよ…。」
「ハルカは家に居てていいから…。」
なぜか私がついていくことを渋る彼…
「荷物あるかもしれないし、私も行くよ?」
「大丈夫だって…!」
「良い子にしてないとサンタは来ねーぞ!」
「だから、ハルカは家に居ろよ!な!」
彼は私を置いて、買い物に出かけてしまった
「ああ、行っちゃった…。」
「…………ん。」
私は人影を感じ、目を覚ました
いつの間にか寝ちゃってたみたい…
「やっべー…バレるッ…!」
声の聞こえたほうに目を向けると
白と赤の特徴的な後ろ姿が見えた
「……サンタさん?」
「えっ!嘘!サンタクロースっ!?」
私がリビングに行くと、五十嵐君がいた
「あ、五十嵐君…。さっきサンタさんが…!」
「…お、おう、さっきまでサンタが来てたぜ?」
「ついさっき、帰っちまったんだ。」
「ほら、耳を澄ませてみろよ?」
シャンシャンシャン…
「サンタの鈴の音が聞こえるだろ?」
…彼の手には鈴が握られている
「あー…うん。」
よく見ると、
部屋の隅には脱ぎ捨てられたサンタの衣装
「さっきのサンタさんってもしかして…。」
「サンタからハルカあての
プレゼントをもらってたんだ。」
「これ…ずっとほしいって言ってただろ?」
「わぁ、ありがとう!すごくうれしい!」
「サンタさんに大好きって伝えておいてくれる?」
「おう!俺もニシノのこと、大好きだ
…じゃなかった。
サンタも大好きだって言ってだぜ!」
「五十嵐君からのプレゼントはないの…?」
「…お、俺からのか…?!
えーっと…ちゃんと用意してたんだけど…。」
「ふふ、うそうそ。
今までの中で一番素敵なプレゼントだったよ!」
「…そんなにニシノが喜んでくれるなら
何回してもいいかもな!
あっ!い、いや、俺はサンタなんか……。」
「ふふ、ほんとにありがとう!」
私は彼に抱き着いた
「うお!!」
「…ったく、ニシノには負けたよ。」
「こんなに好きになっちまったんだから…。」
「来年のクリスマスも楽しみしてろよ…?」
「!うん…!」
これからも彼と一緒に居られたらいいな…
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[toggle title=”水城 幸人 編 負けエンド1 – お金=愛…?”]
昔から私は、好きになった人には尽くしてきた
大好きな先輩のお願い事
……断れるわけない
「お金が足りなくて、デートできないんだ…。」
「足りないお金は私が出すよ…!」
彼はお金がよく足りなくなる
そんな彼にお金を渡している
「愛している」
「やっぱり俺にはお前しかいないよ」
先輩は、私を愛してくれる
私も先輩の
″愛″
に答えなきゃ
[/toggle]
[toggle title=”水城 幸人 編 負けエンド2 – 失踪”]
先輩からの返事はなかった…
あれから先輩を見かけた人はいない…
「先輩…、一体どこに行っちゃったの……?」
先輩の普段との違いに気づいていれば…
お金をすぐに渡していれば…
私は罪滅ぼしで
必死にバイトをしている
先輩がかえってきれ、お金を貸せるように…
先輩……
いつか、きっと帰ってくるよね…?
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[toggle title=”水城 幸人 編 負けエンド3 – 路地裏の恋”]
「昨日は分は?」
「はい、これ…。」
「昨日はいつもより多く稼げたよ!」
「俺のために、いつもありがとうね~。」
そういって先輩は私の頭を撫でてくれる
「ああ…!せっかくセットしたのにぃ……。」
「ニシノは、どんな髪型してても可愛いよ」
「……今日は同伴の日だからもう行かなきゃ。」
「…そっか、頑張ってきて?」
「うん!」
[/toggle]
[toggle title=”水城 幸人 編 ノーマルエンド – 幸せな生活”]
「俺もハルカのことが好きだよ。」
借金を返済するために、大学を辞める先輩
私は、先輩を追いかけて大学を辞めた
「本当は、大学を卒業してほしいんだけど…。」
「私も先輩をそばで支えていきたいんです!」
今は、二人で働いて借金を返している
裕福な暮らしではないけど、とても幸せ
「借金を返済したら、もっと二人の時間作ろう?」
なんて先輩は恥ずかしいそうに
笑みを浮かべて私に言ってくれた
[/toggle]
[toggle title=”水城 幸人 編 ハッピーエンド – 動き出した瞬間”]
――――数年後
私はジュエリーショップで働いている
私と先輩と、大学を辞めるつもりでいた
「大学はやめずに続けてほしい」
「借金を返済したら必ず、迎えに来るから。」
先輩を信じて、私は大学に残ることを決めた…
しかし、何年たっても先輩は迎えに来ない
「まだ、思い出にはできないけど…。」
「いつか笑い話にできる日が来るよね…?」
私が独り言をこぼしたとき
ショップに、来客を知らせる音が鳴る
店内には上品なスーツを着た男性のお客様
「お待たせ致しました。
……彼女様へのプレゼントですが?」
「そうですね…。」
「彼女が笑顔になるものを探してるんです。」
「ずいぶん長い間待たせてしまったので…。」
「でしたら、指輪に彫刻するのはどうですか?」
「じゃあ、それでお願いします。」
「入れる言葉は、そうだな~…。」
男性客の声はどこか懐かしく
私は無意識にその正体を探っていた
この声…先輩の声に似てるんだ…
私は男性客から声をかけられる
「……え?」
私は目を見張り、男性客を見つめる
「迎えに来るのが遅れちゃってごめんね?」
……う、そ…
「……、せん、ぱい、、?」
頬に暖かいものがつたうのを感じた
「あれ、笑ってくれると思ったんだけど…笑」
[/toggle]
[toggle title=”水城 幸人 編 アフターストーリー – 君がいるから”]
「うわぁ!先輩見て、キレイ!」
私たちは、ハネムーンでラスベガスに来ている
ラスベガスなんて、不安だったけど
現地の景色を見てそんな気持ちは払拭された
「ラスベガスってもっと、こう…
荒んでるイメージだったけど、全然違うね!」
「荒んでるって…。地味にひどい事いうね…。」
「もっときれいな場所があるんだ。」
「……おいで。」
「ここの噴水ショー、すごくきれいなんだよ…。」
先輩は、どこか遠くを見つめていた
「先輩…?どうかしましたか?」
「実はさ…ハルカを迎えに行く前かな。」
「一度、ラスベガスに居たことがあって。」
「え、そうだったんですか?」
先輩の過去の話、初めて聞いた…
「あ、借金なんてしてないよ?
仕事の出張で来たんだ…。」
「まぁ、、昔みたいにお金なんて気にせず
遊んでやろうって思うこともあったけど…。」
「それじゃぁ、もしかして…。」
「でも、ハルカのことを思い出すと
どうしても遊べなかった。」
「先輩、忘れちゃってるのかと思ってました。」
「もう少しで思い出になるところでしたよ…。」
なんて冗談交じりで言う
「あはは、俺の負け、かな…。」
「俺は、一度もハルカのこと
忘れたことはなかった。」
「待っててくれてありがとう…。」
先輩は私の手を取って、笑いながら
「夜はまだ長いし、カジノでも行ってみる?」
「もう借金は嫌ですよ!」
「大丈夫だよ!」
「だって今の俺にはハルカがついてるから。」
[/toggle]
[toggle title=”黒田 圭吾 編 負けエンド1 – ライバルは猫”]
「黒田さん好きです」
「ニシノも?俺と一緒だ。」
「付き合える?」
「えっ!!も、もちろんです…!」
「来週なんだけど…大丈夫?」
「え、はい…。」
「猫カフェに行こうと思う…どう?」
彼は、照れたり恥ずかしがる素振りもなく
いつもの無表情で話を進めていく
「大丈夫です!行けます!」
「それなら、連絡してくる。」
「連絡…?」
彼は無表情で、誰かと話し始めた
「今度のオフ会なんだけど…、一人増えた。」
「オフ会?一人増えたって…。」
「え!もしかして
付き合うってそっちの意味?!!」
「?何か言った?」
「いいいいい、いや!何でもないです!」
「…そう。」
「みんな楽しみにしてるって。」
「アハ、ハ…私も楽しみですっ!!」
付き合うって、恋愛的な意味じゃなかったんだ…
猫仲間としてだけど
彼のそばに居れるなら、いいかな…?
「私の恋のライバルはまさかの猫、か……。」
[/toggle]
[toggle title=”黒田 圭吾 編 負けエンド2 – 思いは秘めたままで”]
彼の捜索の甲斐もあり
猫は無事にみつかった
私は彼に告白したが
「この猫は俺が責任をもって育てる。」
話をそらして
ペット可のマンションに引っ越してしまった
黒田さんから告白の返事を今も聞いていない
これはやんわり拒絶されたのだろうか
でも改めて確認する勇気なんて私にはない
「黒田さん、猫に会いに行ってもいいですか?」
「……また?」
私は猫に会いに行くフリをして
黒田さんに会いに行ってる
いつかまた黒田さんに
告白する準備ができるまで…
[/toggle]
[toggle title=”黒田 圭吾 編 負けエンド3 – ディスコミュニケーション”]
「好きです!黒田さん!」
私は彼に想いを伝えた
彼からの返事はOKだった
「はい、これプレゼント。」
「ニシノのために
特注で作ってもらったんだ。」
渡されたものは、真っ赤な首輪
プレートには、私の名前が彫刻されている
「黒田さんってこういう趣味なのかな……。」
「ニシノ何か言った?」
「…!ううん、なにも!」
「……ニシノ、おいで。」
「よしよし………。」
彼は猫を撫でるように、私のあごの下を撫でる
もしかすると
彼は変態なのかもしれな……
「黒田さんって変態なんですか?」
「なに言ってるの?」
私のそんな質問に
きょとんとした顔をする彼
自分では変態の自覚がないらしい…
「たまには外で遊びませんか?」
「ニシノは家にいて?」
「外に行ったら逃げ出すかもしれないから」
「でも、いつも家ばっかりだし……」
「それなら、散歩用のリードを
買ってこなきゃ」
「その時はお前のも一緒に買ってくるよ……。」
彼は猫を撫でながらそういった
やっぱり彼は変態かもしれない
でも、そんな彼も私は好き………
[/toggle]
[toggle title=”黒田 圭吾 編 ノーマルエンド – CALL MY NAME”]
猫は私の家で、飼うことになり
彼はよく遊びに来ている
「黒田さん、猫に名前って無いんですか?」
「………。」
「…ない。」
「…今の間、なんですか?」
「ほんとはつけてるんじゃないですかぁ~?」
私は猫を抱きかかえ、ねぇ?と同意を求めた
猫はミャーと目を細めて鳴くだけだった
「この子もほんとは
名前で呼んでほしいんだろうなぁ…。」
「……ッ。」
彼は、私の手から猫を奪いとり
私に背を向けるようにして座る
そして猫を撫でながら…
「名前は…………よ。」
「すいません、聞こえなかったのでもう一回。
「だから…、名前は……!」
「………ハルカ…。」
「え…でもそれって…」
それって私の名前じゃ……
照れ隠しなのかワシャワシャと
少し乱暴に猫を撫でる彼
そんな黒田さんを見ながら
私は少し寂しく思った
彼は明日から
インターンのために少しの間県外に行ってしまう
これからは就活で
なかなかゆっくりと会う時間は
無くなってしまうだろう
彼には頑張ってほしいけど…
そんな私の複雑な心境を知らない彼は
まだハルカを乱暴に撫でている
「黒田さん、耳まで真っ赤ですよ……。」
「………。」
[/toggle]
[toggle title=”黒田 圭吾 編 ハッピーエンド – 無邪気な笑顔”]
猫は私の家で飼う事になり
彼はよく遊びに来ている
でも、彼は就活が始まり
あまりゆっくりと会える時間は少ない
最近は会ったとしても
自宅で書類を見てることが多い
就活が忙しいんだろう…
「黒田さん……。」
「なに?」
「猫ちゃんが黒田さんと遊びたがってます。」
「うん、ちょっと待って。」
私は彼の書類をそっと覗いてみた
就活関係のものだと思っていたその書類は
引っ越しに関するものだった
「…黒田さん、引っ越すんですか?」
「しかもこれってペット可の物件じゃ……!」
「うん。」
「……引っ越し、ちゃうんですね…。」
「就活も始まるし、癒してもらわなきゃ」
元々、猫を預かったのも
彼の部屋がペット禁止だったから
ペット可の物件に引っ越すなら
私が猫を預かっている意味もなくなる
癒し、か…。
彼は大好きな猫に
疲れを癒してもらうんだろう…
「黒田さんには
猫ちゃんがいますもん、ね……。」
「?なんか、勘違いしてない?」
「勘違いなんてしてないです。」
「………どうぞ!!」
私は猫を両手で持ち、黒田さんに突き出した
「…………あー…、なるほど。」
「あはは、はははははは。」
「な、なんで笑うんすか…。」
彼が声を出して笑ったなんて初めて見た…
もっと違うときに見たかったのに…
「あははは、はは……はぁ、もう。」
「こんなに笑ったのは久しぶり。」
「ニシノは勘違いしているよ。」
「俺の中で引っ越すのは
ニシノも一緒だと思ってたんだけど…。」
「……え、でも、それじゃ…。」
「ごめん、…俺が言葉足らずだった。」
「猫も癒してくれるけど。」
「俺にとって、一番の癒しはハルカだから。」
「…!そ、そんなの伝わらないよ!!」
「それに……いきなり名前で…!」
「ごめん、ごめん。」
そんな無邪気な笑顔で謝られても……!!
「……実はもう部屋契約しちゃったんだけど。」
「一緒に住んでくれる?」
[/toggle]
[toggle title=”黒田 圭吾 編 アフターストーリー – 猫耳なふたり”]
黒田さんと同棲を初めて半年がたつ
「ハルカ、どうしたら
もっと気持ちが通じるかな…。」
これが最近の彼の悩み…
誰とは言わないが、きっと猫のことに違いない
猫を溺愛する彼のために
私はあるモノを用意していた
「私いいものを見つけたんです!!」
「じゃーーんッ!」
「これをつければ
もっと仲良くなれるらしいですよ!」
「………これって、猫耳?」
黒田さんは猫耳を、怪訝そうな顔で眺めている…
普段、猫ばかりを構うしかしだと思って
大学の帰りに買っておいたのだ
「バカみたいですけど、やる価値はあります!」
「……。」
「もっと気持ちが通じるチャンスです!」
「…ほんとに?」
「ほんとに気持ちが通じる?」
「ほんとのほんとです!つけてみて下さい!」
「……。」
予想外だった
彼が抵抗もせず、猫耳を付けるとは…
「どう?」
「に、似合ってマス。」
「…そう。」
猫耳の彼は私に近づき、おもむろに抱きしめる
「え?え?何しているんですか、黒田さん。」
「これつけたら、気持ち通じるんだよね?」
「えっと…はい、まぁ。」
「…俺はもっとハルカのこと、知りたい」
「なっ!こ、これは猫専用です!!」
「でも、俺が一番気持ちが通じたいって思うのは
ハルカのことだから。」
「通じたいって…私のことだったんですか?!」
「ほかに誰がいるの…?」
「…たまに甘えてくると思ったら
いきなり冷たくなるし。」
「ハルカのことをわかりたいのに…
わからないことばっかり。」
「…ハルカの気持ち、もっと俺に教えて?」
私はてっきり、猫のことかと、と思ってた…
「私も、黒田さんの気持ちが知りたいです。」
彼は猫耳を外して、私につけてきた
「い、いきなりどうしたんですか?」
「俺のこと知りたいんでしょ?」
私は黒田さんを見上げる
「…っ!」
「…黒田さん?」
彼は口元を手で押さえ、私から目をそらす
「……ハルカには負けた。」
「すごく可愛い…。」
たまに聞く彼の本音には、すごく愛があって
そのたびに私は幸せを感じている
[/toggle]
[toggle title=”久保 拓真 編 負けエンド1 – 新たな目標…?”]
『先輩、助けて。』
連絡を受けた私は彼の元へ向かった
「どうしたの?」
「お腹減っちゃって…。」
「…先輩何か作って?」
「コンビニに行けばよかったのに…。」
「先輩の手料理が食べたかったんだ…」
「だめ…?」
彼はゲームをしながら私に頼んでくる
「仕方ないなぁ…。」
彼は、私と付き合うことで大学受験に失敗した
そこから引きこもり、ゲームをするようになった
一見失敗したように見える彼の人生
だが、実は違う
彼は自分の夢を見つけ
それに向かって努力をしているのだ
「僕は世界中のゲーム大会で優勝して
その賞金で先輩と暮らしていくんだ。」
まだ、大会では優勝できてないけど
私は彼の夢を心から応援している
[/toggle]
[toggle title=”久保 拓真 編 負けエンド2 – 私と彼の密会”]
「先輩おまたせしました!!」
「補修からなかなか抜け出せなくて…。」
「私も講義抜け出すの大変だったぁ……。」
あの時、私たちは付き合うことになった
しかし、彼は受験直前で
大学のレベルを下げざるを得なくなり
私のいる大学を受験することはかなわなかった
違う大学に行くことになった
私たちは少しでも会う時間を増やすために
よく講義をさぼって遊んでいる
「僕たちが留年したら、
先輩とこれからも一緒に居れますね!」
[/toggle]
[toggle title=”久保 拓真 編 負けエンド3 – 依存”]
「久保君ッ!」
「合格発表どうだった?」
「………。」
「久保君?」
彼はうつむき、肩を落としている
「ごめんなさい。」
「ごめんなさい。」
「ごめんなさい。」
「先輩の大学落ちちゃった…。」
「お願い、先輩ッ!!」
「僕以外好きにならないで!」
「おねがい、じまずぅぅぅ!!」
「ぼく、いがい、好きにならないでぇ!!」
私に崩れるように泣きすがる彼
彼ほど私のことを
好きになってくれる人が他にいるのかな…
「安心して?」
「久保君以外好きにならないから…。」
「ほんど…?」
「なんがい、ろうにんしでも
まっででくれる……?」
「もちろん!」
「ずっと待ってるよ。」
[/toggle]
[toggle title=”久保 拓真 編 ノーマルエンド – これからも一緒”]
私たちが付き合うことになって間もなく…
私は彼から相談を受けることになった
「やりたいって思える勉強が見つかりました。」
「先輩と一緒の大学には…いけない、です。」
彼は教員になるため
違う大学に進学したいとのことだった
大学は私がいる場所にすると
一点張りだった彼に
自分の目標ができ、私は安心した
無事に彼は志望大学に合格した
大学が違うので、会う時間は限られてしまう
私たちはお互いの勉学に
影響のないように会っている
「久保君大学の勉強どう?」
「うーん…。やっぱり、大変です。」
「でも先輩と会って
疲れが全部吹っ飛びました!」
「先輩といると落ち着くんです。」
「な、なに言ってるの…!」
「これからも一緒に居たいんですけど
いいですか?」
[/toggle]
[toggle title=”久保 拓真 編 ノーマルエンド – 確信犯”]
「ニシノ先輩!
お昼行きましょうッ!」
彼とは春から同じ大学に通うことになった
私が彼のもとに行こうとしたとき
「ハルカ!これ忘れてるぞ!!」
同期の友達から呼ばれた
「ごめんね、久保君!お待たせ!」
「……。」
「久保君?どうかした?」
「………いえ。」
「ほんと?」
「……とりあえず食堂にいこっか?」
さっきから、彼の様子がおかしい
いつもお昼食べるときは
笑いながらで話していたのに…
「ニシノ先輩。」
「下の名前で呼ばれたらどう思いますか?」
「……ドキドキ、しますか?」
「え?…まぁ、うん。」
「そうですか…。」
私の返答を聞いて明らかに落ち込んでいる
もしかして
さっき名前で呼ばれたことを気にしてる…?
「ふふ、安心して。」
「ドキドキするのは、久保君にだけだから!」
「……え?」
彼は一度、きょとんとして顔をして
すぐに顔が真っ赤になった
「ニシノ先輩はずるいです…。」
「僕ばっかり振り回される……。」
「え、ッと…そうかな?」
「………。」
私の顔に手を伸ばしてきた
「……ハルカ、大好き……
……です。」
彼は私の手を握り…
「先輩…」
「……ドキドキしましたか?」
[/toggle]
[toggle title=”久保 拓真 編 アフターストーリー – 負け”]
「「「「かんぱーーーーいッ!!!」」」」
「あれ~?ハルカちゃん飲まないの~。」
「い、いえ。私は大丈夫です…。」
私は久保君に内緒で合コンに来ている
浮気するつもりなんて微塵もなくて!!!
友達に人数が足りなくなったから
どうしてもって言われて仕方なく…
「ハルカちゃんって、可愛いねぇ~…!」
「この後二人で抜け出さない?」
慣れない場に私は疲れ切っていた…
「すいません、もう帰るので…。」
「ハルカちゃんもう帰っちゃうの~?」
「俺、寂しいな~?」
「……失礼します。」
友人に断って先に退出することにした
「はぁ~…。疲れた…。」
「久保君には悪いコトしちゃったな…。」
明日ちゃんと久保君に伝えて、謝ろう…
後ろめたいことがあったわけじゃないけど…
「お疲れだね?」
声をかけたのはさっきの男性メンバー
「!!!!な、なんのようですか?」
「ハルカちゃんひどいひどい!」
「さっきまで楽しく飲んでいたじゃーん!」
男性メンバーは私の腕をつかむ
「…話してくださいッ!!」
「い~じゃん。俺と楽しいコトしようよ~。」
男性メンバーの手に恐怖が募っていく…
「…い、やだ……!!」
「先輩っ!!!!!」
「大丈夫ですか?ケガしてませんか?」
彼は、私から男性メンバーの手を離す
「僕の彼女に何か用ですか?」
「は…!合コンにくるなんてとんんだ彼女だな。」
「先輩はあなたと違って、下心はありません!」
「…んだよ。お前ら…勝手にやってろ!」
男性メンバーはその場から去っていった
「はぁ…。……先輩。」
怒られると思っていたが、彼は私を抱きしめた
「ほっんとに心配したんですよ…。
先輩が合コンに行ったって聞いて…。」
「でも、間に合ってよかったです。」
「ご、ごめんなさい…。」
「今回のことはちゃんと叱ろうと
思ったんですけど…ダメですね。」
「先輩の顔見たら
安心してどうでもよくなっちゃいました。」
「僕の負けですね…。」
[/toggle]
[toggle title=”永井 雅明 編 負けエンド1 – 独り立ち”]
先生に告白して、振られてしまった
私はそのショックを
勉強することで紛らわしてきた
おかげで私は主席で卒業することができた
「ニシノ、卒業おめでとう。」
「先生……ありがとうございます。」
「俺が、世話焼かなくても、よかったな…。」
先生は気まずそうに目をそらした…
「先生がいなくても私ちゃんとできますよ…!」
「……。」
「そうだな。お前、立派になったよ…。」
ほめてくれるのに
なんで先生の顔は寂しそうなんだろう…
[/toggle]
[toggle title=”永井 雅明 編 負けエンド2 – 素直じゃない先生”]
「好きです!」
「…うれしいよ。ありがとう。」
「でも、ニシノは生徒だから…。」
「俺はその一線を越えるつもりはないんだ…。」
「先生は…私のこと、好きですか?」
「……。」
「もう講義が始まるから。」
先生は質問に答えなかった
きっと、先生は私のことが好き
だから何年たっても
先生の気持ちが効けるまで、私は待つつもり
「先生ッ!」
「ああ、あああああ、・・・あ・ああ・あ」
「も、もう・・・!やめてくれ・・・・!!!」
「頼むから・・・・!」
「もう、付きまとわないでくれ・・・・・!!」
「付きまとう?」
「私はいつまでも待ってるから、安心して?」
この大学で私は5回目の一年生の春を迎える
[/toggle]
[toggle title=”永井 雅明 編 負けエンド3 – 手のかかる生徒”]
私の告白を先生は受け止めてくれた
最近の先生は
ある一年生について話すことが多い
話によるとその生徒は相当手がかかるみたい…
「その生徒がまたテストが赤点なんだよ。」
「おまけにレポートも出さなくて…。」
「なんか、一年前の私とそっくり!」
「確かにそうだな。」
「ほんとに世話が焼ける生徒で………。」
その一年生は入学早々
留年の危機を迎えているらしい…
「また講義から抜け出したみたいだ。」
「悪い、ちょっと行ってくる……。」
先生は書類をもって教務室をでた
ある書類は
あの子専用の特別課題なのかな
面倒見のいい先生だからこそ
好きになったんだけど…
その生徒に
先生を取られてしまったようで少し悔しい…
[/toggle]
[toggle title=”永井 雅明 編 ノーマルエンド – 秘密の関係”]
「今、俺と付き合っても堂々と付き合えないし
ニシノも我慢する事が多くな。」
「それでも、いい、のか…?」
「もちろんです…!」
「--で、あるからしてーーー。」
密かに付き合うのは少し寂しい
こんなこと先生には言えないけど…
私は重い息を吐きだし、前に突っ伏した
「こら、寝るな。」
「えっ先生!」
「あとでお茶でも買ってやるから
もう少し頑張れ。」
「……はい。」
先生は小声でそう告げ、授業を再開した
その時、携帯がメッセージの通知を告げた
「そんな無防備な顔、俺以外見せるなよ。」
はっと先生に目を向けると
そこには悪戯に笑う先生がいた
意外と先生はこの状況を楽しんでいるのかもしれない…
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[toggle title=”永井 雅明 編 ハッピーエンド – 先生の条件”]
「先生ッ!!」
「うわっ!」
「…いきなり飛びつくな、危ないだろ?」
「えへへ…。」
「先生!私、卒業しました!!」
私は自慢げに卒業証書を先生に突き付けた
「よしよし、おめでとう。」
「ちょっと、先生!」
「約束覚えてますか?!!」
「ニシノが卒業した時、
まだ俺のこと好きだったら付き合おう」
これが先生が出した約束
今日は卒業式
先生の気持ちを確認する日
「先生~!!」
「教えてください、先生の気持ち…。」
「そうだな…。」
先生は悩まし気な顔をしながら
私の腰に腕回して引き寄せ
私の頬に口付けした
「俺の気持ち……わかった?」
「……こ、こんあ場所で!!!」
「ハルカは、
もう俺の生徒じゃないだろ?」
「ずっとこうしたかったんだ……。」
先生は柔らかく微笑んだ
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[toggle title=”永井 雅明 編 アフターストーリー – 気にしてるコト”]
「久しぶりのデートですね!先生ッ!」
「こら、もう俺は、お前の先生じゃないだろ?」
私が学校を卒業して1年
今も順調に付き合っている
「いいじゃないですかー!」
「私の中では先生は先生なんですよ!」
「はは、なんだそれ…。」
「まぁ、ハルカに先生って
呼ばれるのも嫌いじゃないけどな…。」
「先生、あれ!あのお店寄りましょ!!」
「はいはい、わかったから…。」
「はい、600円ね。」
「はーい、ありがとうございます!」
アイス屋のおばちゃんから、アイスを受け取る
「気を付けないと、アイスが落ちるぞ?」
「ふふ、仲の良い兄妹なんだね~…。」
「おばちゃん、兄妹なんかじゃないよ~。」
「そうなのか!それじゃこれかの~?」
おばちゃんは小指を立ててニヤニヤ笑っている
「そうですよ!ね、先生…?」
「……。」
「ああ、うん…そうだね。」
「先生…?」
おばちゃんの発言から
先生は少し様子がおかしい
「もしかして
兄妹に間違えられたこと気にしてますか?」
「私ずっとお兄ちゃんが欲しかったんです!
だから気にしなくてもいいですよ!」
私の言葉のせいか、なおさら落ち込む先生…
「俺、ずっと気にしてたんだよな…。」
ハルカと一回り近く歳が離れているの…。」
「俺と居てほんとに楽しいか?」
「ジェネレーションギャップとか感じないか?」
「そんなこと気にしてたんですね…。」
「ハルカの周りには若いやつらもいるし…
いつか気移りするんじゃないかって。」
「私、先生以外の人に興味ありません…。」
「簡単な気持ちで
4年間も同じ人を好きになんかいませんよ!」
「先生は違うんですか?」
「惚れた弱みかな…。」
「…ハルカには負けたよ。」
「そんなこと言われたら
今まで気にしてたことどうでもよくなるよ…。」
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[toggle title=”白鳥 ルイ 編 負けエンド1 – 美しい体”]
「その滑らかな肌…」
「そして、抜けるような白さ…!」
「ああ、いいよ…。」
「この曲線…。ああ、美しい…」
私は自分の肌を白鳥さんに見せた
白鳥さんは私の素肌を眺め
うっとりと恍惚な表情を浮かべる
「ああ、君のこの体…。」
「僕だけのものにしていきたいよ…」
「はぁ、美しい…。」
最近、白鳥さんと目が合わなくなった
前に一度、白鳥さんのスケッチブックを
のぞいてみたことがある
そこには…
顔のない体だけのデッサンが無数にあった
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[toggle title=”白鳥 ルイ 編 負けエンド2 – 彼の作品”]
「この前の展示会、まだ誰も来なかった…。」
「僕の作品には何が足りないんだ…。」
「大丈夫ですよ…白鳥さん。」
「白鳥さんの作品は十分な魅力があります!」
「しかし、僕の作品は全く評価されない…。」
「焦らなくても
いつか白鳥さんに、時代が追いつきますよ?」
「ああ、そうだね…。」
必死に自分を言い聞かせる
彼の瞳からは涙が雫れ落ちている
「白鳥さんの涙…
ああ、キレイ…。」
彼は自分がスランプから
抜け出せないっていうけど…
きっと違う……
こんな素敵な作品を作るんだから
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[toggle title=”白鳥 ルイ 編 負けエンド3 – 箱入りドール”]
「好きです」
私は彼に自分の気持ちを伝えた…
「……好き?」
「そうか、君は僕のことが好きなんだ。」
「……これで、僕の作品がまた一つ増えた…。」
私は白鳥さんから大切にされている
「きゃっ……!!」
転びそうになった私を支えてくれた彼
「大丈夫かい…?!!」
「ど、どこにも傷はないね…?」
「白鳥さんが支えてくれたから、大丈夫。」
「ああ、よかった。」
「作品に傷がつかなくて……。」
「?作品?」
「い、いや!何でもないよ!!」
「君が無事で本当によかった。」
こんなに大切にされて
私は世界中で一番幸せ…
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[toggle title=”白鳥 ルイ 編 ノーマルエンド – 会えない距離”]
「あ、白鳥さんからのエアメール!」
私が白鳥さんに想いを告げてから
彼は作品作りに没頭した…
彼の作品は国内外で高い評価を受けた
特にパリでの評価は、すごく高かったらしく…
気持ちが通じ合った数か月後
彼は単身で
パリに飛ぶことになった
『Bonjour!!ニシノ』
『少し連絡が遅れてしまったごめんね…。』
『さみしくはなかったかい?』
『実は嬉しい知らせがあるんだ。』
『来月、日本に帰ると言っていたけれど
予定が少し早くなりそうでね…。』
「やった!」
「白鳥さん早く帰ってこれるんだ!」
「写真じゃなくて、早く
実物の白鳥さんに会いたいよ~…。」
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[toggle title=”白鳥 ルイ 編 ハッピーエンド – 足りなかったもの”]
「私は白鳥sなんおことが好きです。」
「…!!」
「インスピレーションが湧いてきた!!」
「ちょっと待ってて!!!」
それから白鳥さんからの連絡が来なくなった…
「これって振られちゃったのかなぁー…。」
「でも3日間、連絡が来てないだけだし…。」
「……。」
「一度、アトリエに行ってみよう!」
私が白鳥さんのアトリエの前に立っていると
目の前の扉が突然開いた
「…白鳥さんっ!?」
目の前には白鳥さんが立っていた
「ハルカ?ちょうど、よかった。」
「どうしても君に伝えたいことがあって…。」
「ハルカの気持ちを聞いてから」
「やっと、わかったんだ。」
「僕の作品に何が足りなかったのか…。」
「僕は今まで
独りよがりの作品ばかりを作ってきた…。」
「けどそれじゃ、ダメなんだ。」
「ダメ…?」
「作品を見てもらう相手のことを想って
作るべきだった…。」
「これは…
僕が初めて誰かを想って作った作品だ…。」
「この作品をハルカに
受け取って、もらいたいんだ…。」
彼の手には
かわいらしいオブジェがあった
「ハルカからの評価だけで
僕は満たされる…。」
「僕にとって…。」
「そんな存在はハルカだけだ…。」
「これからも僕の、そばにいてほしい…。」
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[toggle title=”白鳥 ルイ 編 アフターストーリー – 色づいた世界”]
今日は白鳥さんと二人で花火大会に来ている
「ハルカはどっちがいいと思うかな?」
白鳥さんは狐とタヌキの仮面を持ち
真剣な表情で悩んでいる
「白鳥さんは、狐のほうが似合うかな。」
「じゃあ、お前は狐にしよう!」
「ハルカ、見てごらん?」
「光が反射して、キラキラ輝いてキレイだ。」
白鳥さんはリンゴ飴を見ながらそういった
「ああ、味すらも美しいだね…。」
普段は落ち着いた雰囲気がある白鳥さんだけど
今日は子供のように無邪気に楽しんでいる
ふふ、可愛いな~…
「金魚って、とても美しい形をしているね。」
「しっぽがひらひら舞って
……まるで踊っているみたいだ…。」
「僕にもすくえるかな…。」
彼はすくった金魚を私に見せてくる
「一番美しい金魚を選んだんだ。」
「丸くて、きれいな曲線ですね」
「だろう?この胸腺美は素晴らしい…。」
二人で金魚を眺めていると
大きな音とともに夜空には大きな花火が咲いた
「わぁ…花火すごくきれいですね…。」
「ああ。とても美しい。」
「僕はこんなに
美しいものを生み出した神様を尊敬するよ」
「…もしかしたら
神様は芸術家なのかもしれないですね!」
「…!」
「ハルカには負けたよ…。」
「ああ、きっと神様は
素晴らしい芸術家なんだろうね。」
「ハルカの笑顔が何よりの証拠だ…。」
「な、なに言ってるんですか?!!」
「僕は本当のことを言ったまでだよ?」
「…それに、今まではいろんなものが
一段と美しく感じる。」
「味も、お供、匂いでさえ…。」
「白鳥さん、変わりましたよね…ふふ。」
「少し違うな
ハルカが、僕を変えたんだよ…。」
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